身の回りの精密機械ができるまで

精密機械の特徴

精密機械といえば、どういったイメージを思い浮かべるでしょうか？壊れやすい、デリケート、繊細といった印象を持たれる方も多いかと思います。実際、精密機械は非常に精巧にできているため、壊れやすくまた埃や塵などに弱いという特徴があります。

こうした精密機械の弱みは製造の過程でとりわけ問題になってきます。精密機械の製造はあらゆる汚染との闘いで、ほんの小さな塵や埃でさえも命取りのなるというのが特徴です。

精密機械の内部は、大変小さな部品がとても入り組んだ形で配置されるので、部品一つ一つの小さな汚れも全体に大きく響いてしまうのです。なので部品一つ一つについても非常に清潔な環境で扱う必要がありますし、全体の組み立てにおいてもそれは同様です。

製造過程で汚れを洗浄

このような特徴から、精密機械を製造する過程では洗浄を行うことがとても大切になります。非常に小さな塵や埃であっても、動作に影響したり、不良品の原因になったりするからです。

そしてその過程で必要となるのが、きれいな水です。小さな汚れやゴミでさえも命取りになる精密機械であるからこそ、その水もたいへんクリーンなものでなければなりません。

かつて精密機械を製造する工場がきれいな水の流れる川の近くなどに集中していたのも、こうした理由があってのことです。時計などの高度な技術力で知られるスイスが恵まれているのも、品質のよい水源です。

今ではこうした自然環境に恵まれなくても、人工的に非常に純度の高い水をつくることができるようになりましたが、かつてはきれいな水の重要性から工場の立地にもさまざまな制約があったというわけです。